先日、栗の木があるおうちの方から、栗をいただきました。
私は結婚するまで、超簡単な調理しかしたことがなく、料理ができない三十路女でした。結婚後も、栗を扱った料理を作ったことがなく、生の栗をどうしたら食べられるようになるのかわかりません。栗をいただいたときに、「栗ご飯にでもしてください」と言われたので、「この栗は栗ご飯がおいしいのだろう」と思い、栗ご飯を作ることにしましたが、栗ご飯の作り方が分かりません。
ググりました。
キューピー3分クッキング、キッコーマン、味の素、ヤマキなどのサイトのレシピを見て、キューピー3分クッキングのレシピで作ってみることにしました。
キューピー3分クッキングにした理由は……なんとなく…です……。
レシピを見たら、自分にもすぐできそうな手順でした。
- 栗を熱湯(ぬるま湯)に10分程度浸ける
- 栗の鬼皮を剥く
- 栗の渋皮を剥く
- 栗を水に浸ける
- 米を洗う
- 米、水、分量の調味料を釜に入れる
- 栗を米の上に乗せる
- 炊く
「栗の皮を剥いて、米を洗って、米と調味料と栗を入れて、炊飯器のスイッチポンするだけならできる」って思ったんですけど、甘かった………。
栗を熱湯に浸けたあと、栗のおしりに包丁を入れて、鬼皮を剥きます。
思っていたよりも皮がやわらかくなっていて、剥きやすかったです。
しかし、辛かったのはこのあと…。
渋皮が……剥けない………。
栗ご飯の作り方を見ていると、皆さん包丁やナイフで渋皮を剥いていたので包丁で剥いていたのですが、栗が…硬い…!!!
大根やジャガイモの皮を剥くのとは全然違った…!!!
栗の実がこんなに硬くて、渋皮がこんなに剥きにくいなんて知らなかった……。
天津甘栗食べてるときに、「渋皮がくっついててイライラするわ!」レベルのイライラなんて、大したことなかった……。
最初は、包丁でリンゴの皮を剥くようにしていましたが、後半は、まな板の上に置いて、側面を切るようにして皮を削ぎ落としていました。
栗の数は約30個。
1個につき1分で剥いても30分。2分で60分。
1分は無理。2分くらいかかる……。
肩が痛くなりました…。
苦労して渋皮を剥いて、材料を全てお釜に入れて、スイッチオン。
これでご飯が上手く炊けなかったら悲しすぎる……。
作る前は、「初めて作るし、上手にできなくても仕方ない」と思っていましたが、炊飯のスイッチを押すときには、「こんなに手間かかるんだったら、それなりの出来になってくれ」と願っていました。
約1時間後……
炊き上がりました。
蓋を開けて中を見て、栗が硬くて食べられないなんてことはないだろうかと心配します。
ご飯を混ぜて、一口、食べてみました。
「…!うん、こんなもんでしょう!」
ほーーっと息をつきました。
よかった……。あの時間は無駄じゃなかった……。
結婚してから、栗ご飯のように、いただきものをなんとかして食べようとして料理の経験値を上げています。
自分で買い物に行くと、自分が扱えないものを敢えて買おうとはしません。レシピを見て献立を考えるときも、どうしても自分に出来そうな簡単な手順なものを選んでしまいます。
食材をいただくことで、無理矢理にでも、なんとか料理しようとするようになるので、主婦の料理経験を積むいい機会だなと思います。初めてのことって大変ですし、今回のように下ごしらえに時間がかかるからなかなかできないってこともあって困ることもあるかもしれませんが、今のところは、いい経験になっています。「私でも作れるんだ!」って、いい驚きが生まれてます。
初めて実母に、自分が作った料理をおすそ分けしました。
たぶん、苦労して作ってなかったら、おすそ分けしなかったんじゃないかと思います。
旬のもので初物で、苦労して作って、それなりの出来になって、自分の好きなものだったから、おすそ分けしようと思ったんじゃないかと思います。
料理ってめんどくさくて、作る時間の割には食べる時間が短くて、片付けもしなくちゃいけなくて、好きになれません。「私が作ったものを、みんなで食べようよ」なんて、今まで思ったことありませんでした。でも、栗ご飯を作って初めてそういう気持ちになりました。「おいしい」って言われなくてもいいんです。「なんかイマイチだねー」なんて言いながら食べるのもいい。でも、笑いながら食べたい。「失敗したー!」って笑って、「下手だねー」って笑ってほしい。
栗ご飯を目の前にして、夫が「これどうしたの。作ったの?」と言うので、「作った!これ、証拠写真!」って言ったら、「すごいじゃん」って言ってくれました。さらに、一口食べた夫は、「うん、おいしい」と言ってくれました。きっと夫も、おそるおそる食べたはずです。
栗ご飯を食べる夫に、「渋皮全然剥けなくて。1時間くらい剥いてた」と言うと、「マジで?」と、ちょっと笑っていました。
栗をいただいたことをきっかけにして、経験値もアップしたし、私の中で思い出ができました。
しあわせです。