ふりゆくもの

ブログ好き。子育て中。

ゲノム編集したヒトの赤ちゃんが誕生したニュースを見て、友達の言葉を思い出した。

 

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ゲノム編集をした受精卵から人間の赤ちゃんが生まれたというニュースを見て、友達(女性)のある言葉を思い出しました。

 

その友達は、とてもかわいい女性です。結婚式のスピーチでも、「こんなに美しい女性とは…」「他のクラスから男子が見に来るくらい…」と、堂々とその容姿が褒められていました。

 

その友達は10代の頃から、「顔がかっこいい人がいい」とよく言っていました。「まずは顔」だと。

私はかっこいい人が苦手だったので、「優しい方が良くない?」などと返していました。

そして、「そんなに顔重視なの?」と聞いたとき、友達は「だって、子どもがかわいい方がいいじゃん?」と言いました。

 

私はこの言葉が衝撃的でした。

 

そのときは、「えっ?」としか思えなくて、自分が感じたことをどう言葉にしたらいいか分かりませんでした。

今でも上手く説明できませんが。

 

その友達は、よく気がつく、女の子的な気の利かせ方ができて、友達作りも上手ないい子です。

おまけにかわいい。

自分がかわいいことを知っていて、かわいいことがいいことだと思っていて、それがときどき表に出てきます。

「だって、子どもがかわいい方がいいじゃん?」という言葉も、それが出てきた一例じゃないかと思います。

 

かわいいは正義」。

面白く言う人がいますが、確かに動物などを見て「かわいいなぁ」と思っているときの自分の気持ちを考えると、「かわいい」って素晴らしいことだと思います。

 

ですが、あの流れで「だって、子どもがかわいい方がいいじゃん?」と言われると、外見がかわいくない子のことをどう思ってるんだろうと思いますし、かわいい自分の子どももかわいくないといけないと思ってるのかなと思って、なんか怖いなと思ってしまいました。

 

 

ゲノム編集をしたヒトを作ることをなんの制約もなく認めれば、自分が求める(エゴだらけの)姿の子どもを得るために利用するだろうと思います。

人の欲深さを思うと、この流れは止められないのではないかと思います。

今回は、父親がHIV感染しているから、子どもにHIV感染を遺伝させないためにゲノム編集をしたそうですが、結局、言い方は悪いかもしれませんが、「自分はHIV感染をしているけれど、HIV感染していない子どもが欲しい」という人の欲深さが招いたことだと思います。

 

もしゲノム編集を無制限に許容したら。外見をゲノム編集でいじるようになったら。

ただでさえ、子どもの誕生は親のエゴであるのに(親は子の生殺与奪の権限を持つが、子どもは生まれることも生まれないことも選べない)、さらにエゴの上塗りをしていって生まれた子どもは何を思って生きていくのか、成長過程で自分自身を認めて受け入れていくことができるのかということが心配されます。

 

 

友達は、結婚して出産しました。

結婚相手は「イケメン」と周囲に評されていました(その評価は人によるとは思いますが)。

誕生した子は、結婚相手のお父さんによく似た女の子です。

イケメンの旦那は、お母さん似。

友達は、「親がこっちの家系の顔じゃないって、がっかりしてる」と言っていましたが、自分の気持ちでもあるのかな、と思ってしまいました。

いつまでも10代の頃の発言を引っ張るのもいけないとは思うのですが…。

 

子どもの誕生(生命の誕生)が思い通りになるなんて、思っちゃいけないんですよね、きっと。