「子どもはかわいい。自分の子は特に」
とは聞いていたけれど、正直こんなにかわいいとは。
他のことは一切何もせずに、子どもから目を離さずにいられたらいいのに、と思う。
でも、子どものためには掃除も洗濯も炊事もしないといけない。
子どもの遊びにずっと付き合って、子どもが寝ても隣にいて、子どもが目が覚めたときにも側にいたい。
でも、なかなかそれは叶わない。
お昼寝をしてると思っていたら泣き叫ぶ声が聞こえて、急いで声がする方へ行くと、立って戸の隙間からこっちを見て、言葉にならない声で叫んでいた。
抱っこした途端、泣き止んだ。
ごめんね、ごめん。
お母さんも、目が覚めた時に誰もいなかったらさみしかったんだ。ごめんね、側にいなくて。
こんな風に泣かせてしまうことを無くしたい。さみしいって分かってるのに。
赤ちゃんの時期なんて、あっという間に過ぎてしまう。
それは聞いていたから、1歳までは毎日写真を撮ろうと思っていた。
実際に毎日撮った。4000枚は超えてると思う。
撮っていてよかった。
意外と覚えていられないものなんだな、と思う。こんなにかわいくて忘れたくないのに。
毎日の生活そのもの、生活のほとんどだから、全部覚えておくなんて無理なんだろうと思う。
子どもが笑うようになってからは、幸福感が増幅した。
子どもが笑うようになってから、毎日笑顔をくれて、こんなに笑顔に触れて、自分も笑顔になるなんて、なんて幸せな日々なんだろうと思う。
まだまだこれからたくさんの笑顔を見たい。
子どもが笑ったらうれしい。
子どもの笑顔は麻薬かもしれない。
また見たくてしょうがなくなる。
祖母や母がいつも同じ食べ物を出す現象は、一度、その食べ物で子どもが笑顔になったのを見たからだ。その笑顔がまた見たくて、食べ物を出す。「おいしい」って言って笑ってほしくて。
最近、寝付くまでに時間がかかる。
子どもは、私が起きているのが分かると、座って、しゃべりだす。
まだ何を言っているのかわからないけど、一生懸命しゃべる。
私が寝たふりをすると、寝転んで、静かになる。
何度も寝がえりをうって、時に不機嫌そうな声を出す。
私にくっついてきて、背中を向ける。
私は、その背中に顔をくっつけて、目を閉じる。
幸せだなぁと思う。
背中じゃなくて、頭に顔をくっつけることもある。
頭があったかくて、気持ちいい。
子どもって体温高いなぁって実感する。
こんなことも今だけ。
半年前もすごくかわいかったけど、今もすごくかわいい。
きっと、これからも、かわいいんだろう。
しばらく時間が止まればいいのにと何度も思ったけど、成長も楽しみ。
楽しみ。だけど、今のかわいさもとっておきたい。
このかわいさを忘れないように、色々な形で記録しておきたい。
あ。子どもが寝言言ってる。
起きるかな。
大きい声だなぁ。
酔っぱらいのきつねでした。