ふりゆくもの

ブログ好き。子育て中。

税務調査を間接的に体験した話

 

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はじめに

 

確定申告が近づいてきました。

確定申告をするときに、激しく気になるのが、「税務調査」。

常に「税務調査」が頭の中をスーパー大回転してます。

 

私自身の確定申告について税務調査が入ったことはありませんが、自営業をしている親戚のところに税務署の人がやってきたことがあります。

今日は、そのときのことをお話します。

全ては話せませんが…。

 


ここから、この親戚のことを、親戚の「しんちゃん」と呼ぶことにします(申告の「しんちゃん」の方がいいかな?)。

 

 

 

 

親戚の確定申告の状況

 

しんちゃんは、自営業をしています。

「外注」とか「請負」というタイプの自営業です。

ですから、しんちゃんに渡るお金の出どころは、はっきりしています(しかも、1つか2つしかない)。

しんちゃんにお金を渡す人は、「経費」として確定申告をするので、税務署の人は、しんちゃんがいくらお金をもらっているか知っています。

 


しんちゃんは、めんどくさがりの性格で、きちんと帳簿をつけていませんでした。

収入・支出が書いてあるノートはありましたが、おおざっぱすぎる内容でした。

 

 

親戚には、他にも自営業をしているおじさんがいました。

 

しんちゃんが初めての確定申告をするとき、そのおじさんに相談しました。しんちゃんは、確定申告のことがほとんど分かりません。

おじさんは、「税務署に目をつけられないようにしないと」と言って、しんちゃんを役場(区役所、市役所など)の税務相談に連れて行きました。

「よく知ってる人がいるから、その人に相談しよう」と言って。

 

 

そこで、ほとんど申告書を作ってもらったみたいでした。

 

めんどくさがりやのしんちゃんは、申告書を作ってもらえるいい方法を見つけたと思ったのかもしれません。

その次の年も、その次の年も、きちんと帳簿をつけず、ちゃんとした確定申告書を作成しませんでした。

 

しんちゃんの確定申告はずっと「白色申告」でした。

 

しんちゃんが仕事で受け取る金額は、少なくありません。

ですが、しんちゃんは白色申告を続けていました。

これは、おじさんが白色申告をしていたので、自分もそれで大丈夫だろうと思っていたからでした。詳しい帳簿をつけないといけない青色申告が面倒くさかったのです。

 

しかし、しんちゃんとおじさんとは、売上金額が違います。

「かかる経費もおじさんより多いから、手元に残るお金は、おじさんとあまり変わらないだろう。だから白色申告でも大丈夫だろう」と思っていたようでした。

 

しんちゃんは、おじさんと自分の営業形態が違うことをあまり意識していませんでした。

 

おじさんは、自分で仕入れをして、自分が値段を決めて売るというタイプの自営業でした。趣味と言ってもいいような分野の商売で、しかも、全て現金でのやりとりで、領収書を欲しがるお客さんもあまりいませんでした。

おじさんはお金がないこともないけど、たくさんあるようにも見えない生活をしていました。普通のおじさんです。

 

しんちゃんの場合、毎月もらうお金は銀行口座に振り込まれます。誰から、いくら受け取ったか、はっきり分かります。

そして、しんちゃんにお金を払う人は、しんちゃんに支払ったお金を「経費」として、税務署に申告します。

 

このように、おじさんとしんちゃんは、同じ「自営業」だけど全然タイプが違うのでした。

 

 

しんちゃんは、税務相談で、「青色申告にしてくださいね」「青色申告の方がいいですよ」と言われていました。

しかし、おじさんが「税務署はとことん税金を取るぞ」「税務署に目を付けられたらこわいぞ」と言って脅すものですから、税務署へ行くのがこわかったようで、税務署へ一度も行くことなく、数年間が過ぎました。

 

 

 

とうとうそのときがきた

 

白色申告を4~5年続けたしんちゃん。

 

とうとう、税務署からの封書が届きました。

 

税務調査のお知らせです。

 

これは、税務調査の日時の確認の文書だったようです(私は実物を見ていません)。

 

 

慌てるしんちゃん。

税務調査をするといっても、調査をしてもらうものが揃っていません。

おおざっぱなノートと整理されずに詰め込まれた領収書の紙袋しかありません。

 

そこで、しんちゃんは、正直に言いました。

「整理できていないところがあるので、少し時間をください」

 

税務署の人は、日程を少しずらしてくれました。

 

 

その間に、しんちゃんは、おじさんに相談に行きました。

しかし、おじさんは、「そんなに収入があったのに、青色申告をしていなかったのか、だめじゃないか」としんちゃんを注意するだけでした。

おじさんは、税務調査で何をするのか知りません。

ただ、昔、おじさんが言うには、税務署の人が税金の計算を間違えていて、税金を余分に払わなければならなくなったことがあったようです。

そのとき、おじさんが税務署の人に何を言っても「払ってもらわないと困る」の一点張りだったので、おじさんは税務署が嫌いになったようです。

 

 

 

さて、しんちゃんは、途方に暮れるばかり。

 

ですが、なんとかするしかありません。

 

 

 

少し伸ばしてもらった調査の日。

税務署の人が一人、しんちゃんのところにやってきました。

 

「整理、できましたか?」

 

しんちゃんは、慌てて分けた領収書を貼ったノートと、少しだけ詳しくなった収支内訳ノートを税務署の人に見せました。

 

そこから数時間、税務署の人と色々と話をしました。

 

しんちゃんの仕事内容について説明したり、経費の具体的な中身について説明しました。ほとんどが、経費の内容についての話でした。

 

税務署の人は、ときどき、「これは、上司と相談します」と言いました。「これは、経費とみるのは難しいです」とも言いました。

しんちゃんがずっと白色申告をしていたので、これからは青色申告をするように言いました。青色申告をどんな風にすればいいか説明して、しんちゃんの質問に答えました。

しんちゃんの質問の中に「法人化をするべきですか?」というものがありました。これに対して、税務署の人は「今の状況だったら、法人化してもメリットがありません」と答えました。

 

 

その後、2~3回、税務署とのやり取りがありました。

 

経費として認められなかったものがあったので、所得が増え、払う税金が増えました。

過去の分も、追加で払わなければならない税金が発生しました。過去の分については、延滞金を足して支払わなければなりませんでした。

しかも、過去数年分の税金を一度に支払うように言われました。支払うべきものを支払うべき時に支払っていないので、一度に請求されてしまったのです。

 

しんちゃんにとって、一度に払うにはかなり厳しい金額でした。しかし、払えなくはなかったので、なんとか払いました。

 

 

税金を払うと、お金がなくなってしまって、しんちゃんは、おじさんへの不満を漏らしていました。

 

しかし、おじさんのせいではありません。

家族は、しんちゃんがきちんと確定申告をしていないことを注意していました。それを聞かなかったのはしんちゃんです。

 

 

しんちゃんは、これに懲りたのか、無料の税理士相談会に行ってみたり、確定申告について少し勉強するようになりました。

 

なんとか、青色申告もこなしたようです(10万円控除の青色申告のようですが)。

今のところ、2度目の税務調査はきていないようです。

 

 

   

 

 

税務調査のうわさについて

 

税務調査については、ネットでいろいろな情報に接しますよね。

 

その中で、まことしやかにささやかれている税務調査が入りやすい時期について。
これ、単なるうわさじゃないんだなと思いました。

しんちゃんの場合、夏から秋にかけての頃だったので、(私が見ていた)うわさ通りだなと思いました。

確定申告や納付に関する事務が落ち着いたのかな?と推測される時期ですよね。

 


そして、しんちゃんのところに税務調査にやってきたのは、確定申告を始めてから4~5年経った頃でした。

これも、うわさ通りだなって思いました。

 


しんちゃんの場合は、税務署の人は一人でやってきました。

個人でやっている自営業なので、これもうわさ通りだと思いました。

 

 

なぜ、しんちゃんが税務調査の対象に選ばれたのか。

 

税務調査のときに、税務署の人が言っていたところでは、税務署で「この人、どうやって生活しているんだろう…?」という話になったとか。

 

しんちゃんは、「業務に関わるお金と言えなくもない(無理やりこじつけられる)」というものはすべて経費としていました。売上から経費で引きまくって、利益がほとんど手元に残らないような申告をしていました。

 

もっと他に税務調査の基準があるのかもしれませんが、しんちゃんの申告内容は、税務署の人にとって、ありえない内容だったのでしょう。「どうやって生活しているんだろう…?」と思わせていますから…。(親を扶養に入れていましたし…)

 

やり過ぎはいけません。

 

 

 

さいごに

 

私がお話しできるのはここまでです。

 

しんちゃんの税務調査のすべてに関わったわけではありませんが、しんちゃんの確定申告書の控えを見たり、おおざっぱな収支ノートを見ました。税務署の人がしんちゃんのところへ来ているときに居合わせたこともありました。

 

その限りで分かることをここでお話ししました。

 


その頃私がしていた確定申告は、アルバイトを掛け持ちしていたから、とか、専業の自営業(?)とは違うタイプの確定申告だったので、しんちゃんにアドバイスできませんでした。

もしできるとしたら、数年前にレクチャーしてあげたかったですね(代わりに申告書を作成して、アルバイト代もらうとか!)。

 


税務署の人はこわくありませんから、分からないことがあったら、税務署の人に教えてもらいましょう。

専用の電話回線もあります。

確定申告の時期に税務相談窓口ができますが、かなり混みます。

ですが、不安な点がある人は、ある程度申告書を作成して、これでいいのか確認してもらうだけでもしましょう。

 

税務署の人は、書類をもらいに行くと「お疲れ様です」と声をかけてくれるような人です。普通にしていれば、こわくありませんよ。

 

 

 

それでは、確定申告、頑張りましょう。

 


きつねでした。